みなさん、こんにちは。
私は、社員が自発的に行動し、利益率10%以上を実現するための経営コンサルタントを行っています。
今回は、私がそのために使っている「バランス・スコアカード」という経営マネージメント手法について、分かりやすく説明していきます。
リクルート出身の公認会計士としての経験を活かして、専門性があって現場にそくした説明をしていきます。
バランス・スコアカードは、アメリカのハーバード大学教授のロバート・キャプランと、ボストン出身のコンサルタント、デビッド・ノートンによって開発されました。
バランス・スコアカード(もしくはその考え方)は、すべての会社(組織体)にとって必要なものになります。
ここで、皆さんの会社では、必ず貸借対照表、損益計算書を作っていると思います。
貸借対照表は会社の財政状態を、損益計算書は経営成績を表すものとして、“見える化”しています。
この2つとともに重要なのが、これからのビジョンに向けて進めている「戦略」を“見える化”することです。
貸借対照表も損益計算書も重要なものですが、この2つだけで戦略を考え実行してくことは難しいですし、そもそも、戦略を考え実行していくことを目的に作られたものでもありません。
バランス・スコアカードは、“戦略を見える化”するとともに、戦略の実行度合を見える化するもので、貸借対照表や損益計算書とならび、会社にとって必要不可欠なものなのです。
バランス・スコアカードはどういうものかというと、以下の3つからできています。
①戦略マップ
②バランス・スコアカード
③アクション・プラン
それぞれどういうものかと言うと、
①戦略マップは、経営理念や経営者の考えをもとにして作成した、「戦略の絵=地図」です。
ここで大事なのは、この戦略の地図が最終的に業績(売上や利益)につながるということです。
業績を上げるためには、”お客様に喜んでいただき売上も伸び”、”業務の流れもムダがなく”、”社員も自発的に動いている”ことが重要です。
言い換えると、「業績=財務の視点」、「お客様に喜んでいただき=顧客の視点」、「業務の流れにムダがなく=業務プロセスの視点」、「社員も自発的に動いている=人材成長の視点」の4つの視点が必要になってきます。 バランス・スコアカードはこの4つの視点から成り立っています。
バランス・スコアカードはプロセスを重視&プロセスの進捗を見える化
バランス・スコアカードは、結果にのみ焦点をあてるのではなく、結果にいたるプロセスを重視しています。
具体的には、戦略マップに描かれた重要な要素について、すべて数値化していきます。
重要業績評価指標(KPI)と呼ばれるもので、「戦略の絵」に描かれた重要な目標を達成するためのプロセスの中で、一番重要なものを数値化し、進捗度を見える化します。
例えば、新規顧客の受注をしたいという目標を掲げたのであれば、受注をするためのプロセスとして、
「アポイント」→「訪問」→「提案」→「受注」といプロセスの流れになります。
このプロセスのうち、「訪問」が結果を出すために重要であれば、「訪問数」をKPIとして数値化し、進捗状況を見える化します。
プロセス等をKPIとして数値化して見える化したものが、②バランス・スコアカードになります。
戦略の現場の日々の行動への落とし込み
KPIとして数値化して見える化したら、戦略の目標やKPIの目標を達成していくために、何を実行していくべきかの行動プランをまとめたものが③アクションプランになります。
そして、②バランス・スコアカードと③アクションプランは、全社版をもとに、各部門、そして最終的には各個人版に落とし込まれていきます。
皆さん、もう一度、この流れをみていただきたいのですが、戦略というものが、見える化され、社員一人一人の日々の行動にまで落とし込まれていると思いませんか。
これが、戦略を見える化し、実行に移すということであり、経営理念や経営者の考えが、社員1人1人のまさに今日何をするかというところまで落とし込まれている状態です。
また、バランス・スコアカードの構築をするときに大事なことがあります。
人は自分で考えたことに自発的に動くという特徴があります。
バランス・スコアカードをつくるにあたり、全社版は経営者が考え、その後、部門版は全社版をもとに、各部門長が作成していくことが重要です。
そして、部門版をもとに、社員各自が個人版を作っていくのです。
自分でつくることにより、やらされ感でなく、自分のこととして実行できるのです。
実際に、バランス・スコアカードを活用することで、社員のみなさんが、この業務を何のためにするのだろうと、自ら考えるように変わっていきます。
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家田 憲二
好きな偉人:坂本竜馬
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